
首から腕にかけての痛み 第1章
首から腕にかけての痛み 第1章
人が体を動かす時、筋肉の伸縮が起きることで骨が引っ張られ動いています。しかし長時間同じ姿勢のままでいる仕事、例えば、長時間パソコンに向かう仕事や長距離運転する仕事を行うと、首周りの筋肉が少しずつ炎症を引き起こします。本人が気づくのは、首や肩が慢性的に痛むようになってからです。寝違えた時のような症状で、首が痛むために十分首を回すことができません。人によっては古式マッサージに通い、固くなった筋肉をほぐそうとします。放っておくと、原因から解決されないために症状が徐々に悪化します。筋肉が動かない状態(筋機能不全)で、わずか1分間だけでも座って同じ姿勢でいる事ができなくなります。我慢できない痛みが生じ、場合によっては頭痛や目の疲れ、気持ち悪さそして偏頭痛を伴います。最終的には肩から腕まで痛み、肩や手がしびれ始めます。

自分で薬を買って使い続ける人もいますが、それではこの状態を改善させることはできません。鎮痛薬や抗炎症薬を長期間使う事で胃の病気や腎臓の病気が副作用として生じることがあります。
首の筋機能不全には3つの段階があります。
1.筋肉の炎症に限られている段階 肩が痛む、長時間パソコンに向かう作業ができない、熱があるときのようにだるい。この段階の患者はマッサージを頼ることが多いです。首の矯正は時間稼ぎにはなるかもしれませんが、本当の原因を治しているわけではありません。
2.首の骨が変質する段階 何年間にもわたり首周りが痛い。この段階になると、レントゲン写真で首の骨の関節部分にカルシウムの沈着が認められる場合があります。高齢になる前からカルシウム沈着が見られることは、この病気のサインです。カルシウム沈着が見られる関節は、筋肉が弱ったせいで過剰に負荷をかけられています。筋肉の代わりに骨が負荷を受けている状態です。関節のカルシウム沈着は徐々に大きくなり、関節の動きを邪魔し始めます。首を左右にねじった時に、右と左でまわせる範囲が異なります。
3.首の神経が圧迫される段階

骨の変性により頚部で神経の圧迫が見られるMRI画像。神経の前後両方にカルシウム沈着がある。
カルシウム沈着が進み、首の神経周囲の隙間が狭くなると、動脈の血流が悪化し神経に届く養分が減ります。これにより、患者は肩から腕にかけて痛みが出たり、腕や指先のしびれが生じたりします。腕の痛みは首の痛みの何倍もひどいものです。患者によっては、筋肉が引き裂かれているようだと言います。神経の細胞がこのままの状態にされていると、腕や肩の筋肉、さかのぼって首の筋肉までが萎縮し始めます。筋肉が萎縮すると腕や指先に力が入らなくなります。最終的には手術で治療しなければいけません。

骨の変性により頚部で神経の圧迫が見られるMRI画像。カルシウム沈着と椎間板物質によって神経が圧迫されている。

手術後の同じ患者のMRI画像。手術で神経を圧迫していた椎間板物質を除去し、人工椎間板物質に置換した。

人工椎間板置換術後の同じ患者のレントゲン写真。
現在我々が暮らす社会は大変忙しい社会です。特に若い世代の人々は自分の健康について省みる暇もありません。筋肉が十分健康でいられるだけの運動やトレーニングをする暇もなく、ただただ酷使しています。そして酷使することが筋肉トレーニングであると勘違いしています。今こそ、自分自身の体についてよく考えてみましょう。最後に運動したのはいつですか。スポーツをしたのはいつでしょう。最後に水泳したのはいつでしょうか。もし首の筋肉を十分に鍛えておかずに、長時間同じ姿勢で仕事を繰り返していたら、筋肉が弱り病気になり始めるのも時間の問題です。
首の痛みから解放されましょう
