
人工膝関節置換手術における コンピューター支援システムの有効活用
簡単なたとえ話をしましょう。新しい車にはカーナビが付いています。人工衛星からの情報をコンピューターが解析することで、目的地までどの道が正しいか、どの道が速いかを正確に知ることができます。紙の地図ではできなかったことです。
骨と人工関節装着の角度を正確に計算する際、コンピューターは強力な補助になります。コンピューターなしでは、医師が目視でこの処置を行うことはできません。コンピューターのおかげで、皮膚の傷を小さく、内部の組織の損傷を少なくできるのです。外科医が傷の小さい手法を実施できることで、麻酔時間を短縮でき、出血も少なくて済み、術後の痛みも減らすことができるのです。
簡単なたとえ話をしましょう。新しい車にはカーナビが付いています。人工衛星からの情報をコンピューターが解析することで、目的地までどの道が正しいか、どの道が速いかを正確に知ることができます。紙の地図ではできなかったことです。

整形外科医も同様に、人工膝関節置換や人工股関節、他の手術でもコンピューター支援システムを使います。この技術は、コンピューターを外科医の手技の補助として使うことで、より正確さを高める目的で進歩してきました。

コンピューター支援システムを用いた人工膝関節手術を行った患者の傷の外観。
手術を補助するコンピューター支援システムは以下のもので構成されています。
情報を表示する画面が付いたコンピューター本体
手術にあわせて設計されたプログラム
患者の関節から情報を収集しコンピューター本体に伝えるためのカメラ、または他の機器
手術に必要となる特殊な器具
人工関節置換手術の経験がある整形外科医

最初の手順は、患者の骨の情報をコンピューターシステムに取り込むことから始まります。長さや形まで本物そっくりの三次元画像で患者の膝関節の骨を再現します。専用の機器を患者の様々な部分に当てて情報を収集し、得られた情報からシステムのプログラムを用いて本物そっくりの画像を作り上げます。これにより、必要となる患者の情報すべてが得られます。外科医も骨の様子を細かく確認でき、動いたとき膝が曲がる角度、弯曲した膝の角度はどの程度か、変形性膝関節症により関節軟骨がどの程度手術で除かれるのか、手術で除去される予定の膝の関節軟骨の角度はどれくらいかといったことを事前に知ることができます。コンピューターシステムによって得られる情報と小さくなった手術の器具のおかげで、手術でできる傷を小さくし、正確さを高めることができるのです。
コンピューター支援システムによって得られる重要な利点は以下のようになります。
手術前の計画が立てやすくなる
手術中、膝の情報を随時確認できる
正確さが高められる
この手術法の欠点は、手術時間が10-20分程度長くなること、手術費用が高くなることです。標準的な人工関節置換手術に比べ良い手術成績を得られることが証明されています。もしより良い手術成績が得られないならば、コンピューター支援システムの需要が減りますし、膝の関節軟骨が正常な場合だけにしか使わない等、利用される手術も減るはずです。
将来コンピューター支援システム技術が進歩すると、ほぼ全ての手術で支援システムが使われ、人間の能力のみに頼らなくて済むようになるかもしれません。外科医の中にはこの方法を既に臨床現場で使い始めている医師もいます。一方、医師によってはまだ実際には使わず、治療に関する情報が十分集まるのを待っています。
いずれにせよ、この治療方法が適切かどうかは、患者の体重、日常生活における活動強度、年齢、持病の有無など様々な観点から検討し、担当する整形外科医が判断します。手術を受ける前に、担当の医師にこれらのことを十分相談してください。
情報提供して頂いたDePuy社に感謝します。
